
民間投資・自由貿易カギ
スノー米財務長官寄稿
スノー米財務長官は日本経済新聞に寄稿し、世界から貧困を減らし経済成長を確保するための開発の重要性を強調、ブッシュ米政権が各国の努力を支援する方針を表明した。内容は次の通り。
今年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)は特に開発問題に焦点を当て、開発と変革を促す要因を探っている。会議の「グローバル・ガバナンス」に関する新報告書は企業の持つ開発の可能性を各国が開拓できれば今年は「変革の年」になると提言している。
米国は真の開発につながる各国の努力を支持し、報いる政策を確立してきた。このアプローチは各国が経済成長に必要な状況をつくり出さねばならないとの信念に基づく。開発援助は人々を貧困から救ううえで重要だが、成長と発展の推進力は民間の投資と貿易の自由化である。
開発には構造改革が必要だ。最も重要な改革は民主主義と法の支配の確立、汚職の抑制、人への投資、健全な財政・金融政策の実施である。
2002年にメキシコのモントレーで達した開発に関する新たな世界的合意はこうしたアプローチを支持している。モントレーの合意は途上国が健全な経済・社会政策を確立し、先進諸国が開かれた貿易制度、民間の資本移動、追加的な開発援助を通じ途上国の努力支援を求めている。
こうした目標に向けた努力と前進の有望な兆候がみられる。ニカラグア では投資家や起業家の事業設立を支援するプログラムが新事業の設立に要 する期間を大幅に短縮し、民間部門の発展と雇用創出を刺激している。
マダガスカルは汚職防止運動を積極的に進め、グルジア政府は医療投資を倍増し、教師の給与を引き上げ、健康で教育水準の高い将来の労働力の基盤を築いた。
ブッシュ政権は健全な経済・社会政策を持つ諸国と協力することの可能性を認識し、モントレーでの確約の履行に向け果断な措置を取った。
中でもミレニアム・チャレンジ・アカウント(MCA)は公正な統治をし、国民に投資し、経済の自由を奨励する国に開発援助を提供するプログラムで、これまでに25億ドルを提供した。
米国は2000年から06年までに開発援助を50%増やすというモントレーでの確約を予定を上回るペースで達成した。さらに最貧諸国に対する債務救済の拡大を追求するとともに、開発促進の環境をつくる各国の努力を支援するための主要な構想を推進する。
米国は世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉の促進に当たり、2015年までに消費財と工業品の関税の全廃、農業関税などの大幅削減を提案している。このような大規模な貿易自由化は、世界の貧困層に多大な恩恵をもたらす。
国際開発金融機関と緊密に協力し、中小企業も含む民間部門へのそうした機関による援助も拡大する。途上国において民間部門の発展と経済成長と雇用創出に不可欠な事業環境の改善を確保する努力も続ける。
意味のある開発には発展途上国の経済・社会・政治改革が必要だ。米国はそうした改革を進める国への支援を確約している。これらの改革が実施されて初めて、貧困に打ち勝ち、生活を改善するためのわれわれ全員の努力が実を結ぶのである。


臨時代理大使